更年期のすごし方

更年期、閉経前後の10年ほどはさまざまな不調があらわれる場合があります。これが更年期障害です。更年期を健やかに過ごせるためのセルフケアや対策を紹介していきたいと思います

insomnia

睡眠障害はプレ更年期に代表的な症状

寝つきが悪くて、やっと眠れたと思ったら、夜中に目が覚めてしまう。寝だのが遅かっだのにもかかわらず、朝方、早くに目が覚める。疲れているはずなのに、ぐっすり眠れない。夢をよくみで眠りが浅い……。

こうした不眠や浅眠の訴えは、プレ更年期によく起こる症状です。不眠は、更年期障害の症状としてもよくある代表的な症状です。


不眠の原因、ストレス、過度の疲労に注意

女性ホルモンが低下することで不眠や浅眠が起こりやすくなりますし、落ち込みやイライラ、うつ症状が起こり、その結果、ますます不眠を招くことがあります。

また、ストレスや疲労などで、不眠を起こし、それが体調低下、そして卵巣機能の低下を促すということもあります。

ほかには、プレ更年期症状の冷えやのぼせ症状があって、それが原因で不眠を招くこともあります。


長引かせず早めの対処が大事 寝る前のリラックスタイムを上手に過ごす


日常生活の工夫としては、夜寝る前の準備も大切。早めにゆっくりアロマオイルを灑舟に数滴たらして入浴し、アロマオイルの香りで寝室を満たして、眠りのための準備を整えましょう。

テレビや電話、パソコンなども早めに才フにします。夜はカフェインのある飲み物は避け、温かいハーブティ(眠りを誘うカモマイル、セントジョーンズワード)や温めたミルクをゆっくり飲みます。

寝酒のようなアルコールは体を冷やしますし、飲み過ぎるとかえって早く目が覚めるので控え家しよう。アルコールは夕食のときに適度に楽しむ程度に。




menopausia1

「更年期」とは、英語の「menopause」を翻訳したもので、語源は「月のもの(月経)がなくなる」ということです。

更年期は、成熟期から老年期へと移行する時期で、日本産科婦人科学会では「閉経の前後5年間」と定義しています。

閉経とは、月経が1年以上こなくなることです。だいたい50歳が閉経の平均年齢といわれていますから、「更年期=45歳から55歳くらいまで」となります。

この約10年間に女性の体内ではどんな変化が起こっているのでしょうか。健康状態を左右する重要な役割をするエストロゲン(卵胞ホルモン)という女性ホルモンの分泌量が加齢によって徐々に減っていくなど、それまでの人生で体験したことがないような大きな変化がいろいろと体内で起きています。

初めて月経になったときとは比べものにならないほどの大変化です。その結果、心身に違和感を覚えたり、不調をきたします。

そしてこの時期にあらわれる多種多様な症状のなかで、「器質的変化に起因しない症状を『更年期症状』と呼び、これらの症状のなかで日常生活に支障をきたす病態を『更年期障害』とする」と、前出の学会では定義しています。

つまり、「更年期障害」とは、甲状腺ホルモンの機能異常などの病気がない状態で、閉経前後の約10年間におとずれるさまざまな不調な症状が、毎日暮らしていくのが難しいほどつらい場合をいい、更年期といわれる年代の女性の「だれもが更年期障害になるわけではない」のです。

一方、多くの人が経験する「更年期症状」の典型的なものとしては、カラダがコレステロールをため込みやすくなり、太りやすくなるほか、冷えやのぼせ・ほてり(ホットフラッシュ)、動悸、息切れ、めまいといった身体的な症状のほか、イライラや倦怠感、憂うつ、不眠などの精神的なものもあります。

「不定愁訴」と呼ばれるほど、多種多様な症状が日によっていろいろとあらわれるので、これはこれで軽視できない不快さです。

これらの症状を意識しながらも、実際に病院に行かなくてはならないほどの更年期障害がある人は、更年期の全体女性のうちの約3割程度で、特に更年期障害が強く出る人は、その人が置かれている環境やもともとの性格が影響するといわれています。

food

更年期に意識してとりたいのは、女性ホルモンを支え、老化を防ぐ食べ物です。加齢とともに弱まる機能を保つことが、心と体のアンチエイジングにつながります。更年期の食べ物は、黒い色のもの(黒豆、黒ごま、黒きくらげ、のりなど)、粘りけのあるもの(納豆、長いも、オクラなど)、海のもの(えび、貝類など)。また杜仲茶、菊花茶、黒豆茶です。

更年期の症状を緩和する飲み物
更年期の冷えは心身の不調をまねくもとです。加齢とともに血行が低下して冷えやすくなるので、日常に取り入れやすいお茶を利用して、血行をよくしてください。血流促進効果があるのは、黒豆茶、紅花茶、玖瑰花茶、ローズヒップティーなど。

セロトニンの材料になるたんぱく質をとる
心を穏やかにする神経伝達物質セロトニンは、たんぱく質を構成するアミノ酸の一種のトリプトファンからつくられます。トリプトファンを多く含む食品は、牛乳、チーズ、ヨーグルト、卵、かつお、大豆、豚もも肉、牛ヒレ肉、鶏ささ身など。またトリプトファンをセロトニンに変えるためには、ビタミンB群をはじめとするビタミン、ミネラルが必要なので、やはりバランスのいい食事が大切です。

食事がとりにくいときや食欲がないときなどは、サプリメントを利用するのも手です。ビタミンやミネラルは協力し合って慟くため、マルチタイプでとるのがポイント。この2つをベースに、心の不調が気になるときにはアミノ酸をプラス。

肉断ち、油断ちは禁物

カロリーやコレステロールを気にして、肉や油脂をひかえすぎるのはよくありません。肉はアミノ酸の重要な供給源で、セロトニンなど心の安定に関わる毒経伝達物質や、体の熱を生み出す筋肉をつくるもとになるものです。また、脂質は女性ホルモンや脳細昆の材料であり、肉や油脂もバランスよく適度にこることが肝心です。




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